「最近胸が下がってきたみたい」
「若いころに比べて胸が垂れてしまった」
このように感じている女性は多いのではないでしょうか。
胸が垂れる原因は年齢だけではありません。日常生活の癖や下着の選び方など、さまざまな要因があるとされています。
この記事では胸が垂れ始める年齢とその原因、垂れないようにするバストケア習慣をご紹介します。意識を変えて対策を行えば胸の垂れを防ぐことは可能です。諦めずに取り組んで、綺麗な胸をキープしましょう。
目次
胸が垂れるのは何歳くらいから?
年齢を重ねるごとに体のラインがゆるみ、胸が垂れてきたと感じる人は多いことでしょう。それでは実際に胸が垂れてくるのは、何歳からなのでしょうか。
個人差はありますが、40歳くらいを境に垂れ始めることが多いといわれています。女性の胸は思春期から膨らみ始めて成長していき、一般的には24〜26歳ごろまでに大人の体として完成されます。
そして30代になると上胸のボリュームが落ち始め、40代以降では胸下部がたわんで、バストトップも下向きになってきます。体全体も丸みをおび、胸も柔らかくなって「重力に負ける」状態になるわけですが、年齢を重ねるとなぜこうなってしまうのでしょう。
胸が垂れるのはなぜ?加齢によって胸が垂れる原因3つ
一般的に胸が垂れてくるのは40歳ぐらいからといわれていますが、どのような原因があるのでしょうか。ここでは、加齢によって胸が垂れる3つの原因を解説します。
胸が垂れる3つの原因
それぞれみていきましょう。
-
1. ホルモンバランスの変化
加齢によって胸が垂れる原因の1つ目として、ホルモンバランスの変化が挙げられます。
女性の体は女性ホルモンの影響を受けて、約1ヶ月周期で変動しています。主な女性ホルモンとして挙げられるのは、卵巣から分泌される「プロゲステロン」と「エストロゲン」の2つです。
「プロゲステロン」は排卵直後から分泌量が増えるホルモンで、子宮内膜を安定させて乳腺を発達させる役割があります。
「エストロゲン」は生殖器官の発育や機能を維持する役割があり、肌のハリや柔らかさ、丸みのある体形を保つ働きをするホルモンです。
加齢によりこれらの女性ホルモンの分泌量が減少すると肌のハリが失われ、しわやたるみといった老化を招きます。結果として胸が垂れてしまうのです。
-
2. クーパー靭帯にかかる負担
加齢によって胸が垂れる原因の2つ目は、クーパー靭帯に負担がかかることです。
クーパー靭帯は乳頭や大胸筋、皮膚とつながったコラーゲン線維の結合組織のことで、胸を綺麗な形に保つ役割があります。
胸全体を包み込むような状態で支えており、乳腺組織や脂肪組織が脇に流れないようにする働きもあります。このクーパー靭帯の働きによって、上を向いた綺麗な胸を保つことができるのです。
ただし、クーパー靭帯の主成分はコラーゲンのため、一度伸びたり切れたりすると元の状態に戻ることはありません。
長時間ブラジャーをつけずにいたり、妊娠・出産を経たりするとクーパー靭帯が伸びてしまう可能性があるため、加齢とともに胸が垂れる原因となります。
-
3. 産後のサイズ変化
加齢によって胸が垂れる原因の3つ目は、産後のサイズ変化によるものです。
女性は産後や授乳後に胸のサイズが変化します。
胸は産後の授乳期に人生で最も大きくなるといわれますが、授乳期を過ぎると急速にしぼむため、垂れたように見えてしまいます。それは、授乳のために大きくなった胸や姿勢を支えるために乳房の内部にあるクーパー靭帯が伸縮していることが原因です。授乳期を終えて元のサイズに戻る時に、クーパー靭帯が伸びてしまっているため、以前より垂れているように見えるのです。
胸を支える力が弱くなっている上に、肌のハリや柔軟性が低下してしまうことも、胸が垂れたと感じる理由でしょう。
胸が垂れるのを予防!日常に取り入れたいバストケア習慣4選
加齢とともに垂れてしまう胸ですが、簡単なバストケアで予防ができます。
ここでは日常に取り入れたいバストケア習慣4選をご紹介します。
日常生活のなかで簡単に取り組めるバストケアとして挙げられるのは、以下の4つです。
どれも簡単なことなので、ぜひ日常生活に取り入れて予防していきましょう。
-
1. 姿勢を正す
胸が垂れるのを予防するには、正しい姿勢を意識することが大切です。
パソコンやスマホを長時間使っていると猫背になり、首や背骨に負担がかかりやすくなります。背中や腰が丸くなった状態でいると、バストを支えている大胸筋に重力がかかり、胸が垂れる原因となります。
正しい姿勢は、頭頂部を上に引き上げて顎を引き、胸を張って肩を下げた状態です。
お腹から胸にかけて内臓を持ち上げるようなイメージで腹部に力を入れるだけでも、姿勢を正すことができます。パソコンやスマホを使用する際、画面は目線の高さになるように調整しましょう。日頃から姿勢を正すことを意識するだけでバストトップの位置が高く見え、胸が垂れるのを予防できます。
-
2. 食生活に気を付ける
毎日の食生活に気を付けることで、胸が垂れるのを予防しましょう。
女性ホルモンを整えるためには、栄養バランスの取れた食生活を心がけることが大切です。
栄養バランスの取れた食事とは「主食」「主菜」「副菜」「汁物」を組み合わせた和定食が理想とされています。- 「主食」… ご飯・麺類・穀類などの炭水化物
- 「主菜」… 肉・魚・卵・大豆などたんぱく質主体のおかず
- 「副菜」… 野菜・海藻・きのこなどの付け合わせ
- 「汁物」… 味噌汁・吸い物・スープ類
1日に必要な摂取量も意識し、カロリーを摂りすぎないように注意しましょう。
また、加齢により減少する女性ホルモンを補う食事も有効です。
たんぱく質、大豆イソフラボン、ビタミンEなどは女性ホルモンの分泌を促す栄養素なので、多めに取り入れてみてください。 -
3. 適切なサイズのブラジャーをつける
胸が垂れるのを予防するためには、今の体に合ったサイズのブラジャーをつけることが重要です。
ブラジャーは「胸を美しく見せるための下着」なだけではなく、動作によって流れてしまう胸を固定し、下垂を防ぐ役割があります。自分の体に合ったブラジャーをつけることで、ある程度胸が垂れてしまうのを回避する効果が期待できます。サイズの合ったブラジャーを着用するには、自分自身の正しいサイズを計測し、把握することが大切です。
ブラジャーのサイズは「トップバスト」と「アンダーバスト」の2箇所を採寸して選びましょう。
トップバストとはバストの一番高い位置を通る周囲のサイズで、アンダーバストは胸の膨らみのすぐ下の部分のサイズのことです。
床面と水平になるようにメジャーを使い、少しきついと感じるくらいに計測すると正しいサイズが測れます。 -
4. ランニング・ウォーキング時にはスポーツブラをつける
健康や美しさを維持するためには、ランニング・ウォーキングなどの適度な運動が欠かせません。しかし、専用のスポーツブラを着用しないでランニングやウォーキングをすると、胸が垂れてしまう可能性があります。
ブラジャーは胸を動作による揺れから守ってクーパー靱帯の切断や伸びを防ぎ、正しい位置に保つ働きがあります。ランニングやウォーキングをしている時は胸が縦や横に大きく揺れ、普段よりも強い衝撃がかかるため、専用のスポーツブラで防ぐ必要があるのです。
スポーツブラは運動専用に作られているので、揺れに対するプロテクト効果が高く、ずれも起こりにくいのが特徴です。
胸を支えるクーパー靭帯は一度切れると再生できないため、スポーツブラを着用し、運動による胸の下垂を防ぎましょう。
寝方が悪いと胸が垂れる?就寝時のバストケア習慣3選
寝る時の姿勢によっても胸の形が影響を受けることをご存じですか?
寝方が悪いと胸に重力や衝撃を与えてしまい、クーパー靭帯の損傷による胸の垂れを生み出す原因になるといわれています。
それではどのような寝方をすれば胸の垂れを予防できるのでしょうか。
ここでは胸の垂れを防ぐ就寝時のバストケア習慣3選をご紹介します。
それぞれみていきましょう。
-
5. 0時までには就寝する
睡眠の質や量により女性ホルモンが影響を受けるため、毎日きちんと睡眠をとることが大切です。女性ホルモンの分泌量が増えれば乳腺の発達を促すことができ、胸の下垂を防ぐ効果が期待できます。
また、女性ホルモンと同じくらい重要なのが成長ホルモンです。成長ホルモンは成長期の子どもだけではなく、大人にとっても生活習慣病や骨粗しょう症の予防に関わる大事なものです。
成長ホルモンには美肌効果もあり、肌のターンオーバーの活性化や、血行を良くする働きが期待できます。成長ホルモンの分泌を促すことで形だけでなく、肌質など見た目も綺麗な胸を育成できるでしょう。成長ホルモンの分泌が最大になる時間帯は、午後10時から午前2時の間といわれています。この時間帯に深いノンレム睡眠に入れるよう、遅くても0時までには就寝するようにしましょう。
とはいえ、夜更かしが常となっている現代では、寝たくてもなかなか眠れないという人も多いことでしょう。眠れない時に試したい方法を紹介した記事がありますので、ぜひ参考にしてください。
「眠れない時に試したい寝る方法7選!」 -
6. うつぶせや横向きで寝ない
人によって寝やすい体勢はさまざまですが、胸の下垂を防ぐために、うつぶせや横向きで寝るのは避けましょう。
うつぶせで寝ると胸は布団に押し付けられ、そこに上半身の体重がかかるため、胸が強く圧迫されます。血行が悪くなって胸に栄養が届かなくなる上、胸の脂肪が背中側に流れてしまうでしょう。
また、横向きで寝る場合は、胸が一定の方向に長時間傾いた状態になります。下になった側の胸が押しつぶされて血流が圧迫され、栄養が滞ったり老廃物が残ったりして、成長できなくなることが考えられます。さらに重力によって片側に脂肪が流れ、左右の大きさが違ってしまうリスクがあります。
これらを避けるためには、あおむけ寝がおすすめです。上向きに寝ている状態であれば重力の影響を受ける心配もなく、血流が偏ることもありません。さらに睡眠中の呼吸が楽になり、リラックスして熟睡しやすくなることから、睡眠の質を上げるメリットもあります。
-
7. ナイトブラをつける
胸のためには仰向けで寝るのがおすすめですが、何もつけない状態で寝ると胸の脂肪は両脇に流れてしまいます。睡眠中の無意識な寝返りや動作は自分では管理しきれないことからも、寝る時には専用のナイトブラの着用をおすすめします。
ナイトブラは睡眠中もしっかりと胸を支えつつ、眠りを邪魔しない着心地の良さが特徴です。ナイトブラを選ぶ際には、以下の4つのポイントを参考にしてください。
ナイトブラの選び方
- 過度に締め付けないノンワイヤーのソフトタイプ
- 肩ひもが広めで脇部分が高い設計の布面積が大きいタイプ
- 肌を刺激する装飾がないつるりとした素材
- ムレにくいコットンやシルクなどの自然素材
心地よい睡眠を優先できるよう、締め付けが少なく肌触りがよいナイトブラを選びましょう。
【加齢による垂れを防止】垂れた胸を治すための筋トレ2選
加齢によって胸が垂れてしまうことを防止するためには、大胸筋を鍛えるのが効果的です。
大胸筋は胸の真下にあり、胸全体を支える大切な筋肉です。
胸は9割が脂肪、残りの1割が乳腺組織となっており、これらが大胸筋の上に乗っている状態です。大胸筋が衰えると胸全体が垂れ下がってしまうので、胸が垂れるのを防止したり、胸の垂れを改善したりするために、しっかりと大胸筋を鍛えておきましょう。
ここでは「合掌ポーズ」と「膝つき腕立て伏せ」の2つの筋トレをご紹介します。
-
1. 合掌ポーズ
両手を胸の前で合わせる「合掌ポーズ」は、大胸筋を寄せて引き上げることで、バストアップ効果が期待できる筋トレです。
- 背筋を伸ばし、両手を胸の前で合わせる
- 両手を押し込むと同時に胸に力を入れる
- そのまま腕を顔の前まで上げて、5秒間キープ
- 腕をおへその位置まで下げて、5秒間キープ
猫背にならないように、背筋を伸ばして行うことがポイントです。
1セット10回で、1日あたり3セットを目安にしてください。 -
2. 膝つき腕立て伏せ
「膝つき腕立て伏せ」は膝をつけた状態で腕立て伏せを行うトレーニングです。腕の力に集中するよりも、胸の筋肉を意識して行いましょう。
- 両膝を肩幅ぐらいに開いて床につき、両手を肩幅よりやや広めに開いてつく
- 床にあごがつく程度まで肘を曲げる
- 肘を曲げる時に息を吐き、伸ばすときに息を吸い込む
この運動も1セット10回で、1日あたり3セットを目安にするとよいでしょう。
どちらも簡単にできる筋トレなので、ぜひ実践してみてください。
【胸の垂れ対策に】自宅で簡単バストケアマッサージの方法
上記でご紹介した筋トレの他にも、マッサージなどのバストケアが胸の垂れ防止に有効です。
バストケアマッサージを行うことで周囲の筋肉をほぐし、胸の垂れを改善する効果が期待できます。
ここでは自宅で簡単にできるバストケアマッサージ方法をご紹介します。
-
- 右手を左胸の上部に置く
- 親指以外の4本指を使って鎖骨に向かって圧迫しながら筋肉をほぐす
- 左手も同様に右胸の上部に置き、鎖骨に向かって圧迫しながら筋肉をほぐす
片側10回ずつを1セットとし、1日3回行うと効果的です。
胸の上部の皮膚を引き上げると同時に血流がアップすることでリンパの流れが良くなり、胸の垂れを防止する効果が期待できます。
お風呂上りに行う場合は、マッサージクリームを使用すると指の滑りが良くなりおすすめです。
バストケア専用のマッサージクリームも販売されているので、お気に入りを見つけて楽しく続けましょう。
まとめ
この記事では、加齢によって胸が垂れてしまう原因や、改善に効果的なバストケア習慣7選を中心にご紹介してきました。
胸が垂れるのは年齢によるものと諦めてしまいがちですが、日常生活での癖や寝方、適切な運動などでも防ぐことが期待できます。体に合ったブラジャーを身に着け、正しい姿勢や食事、睡眠に気を付けるだけでも効果が感じられるでしょう。
セルフケアは続けることが大切です。ご紹介した筋トレやマッサージを日常生活に取り入れて、諦めずに取り組んでみてください。