「鏡の中の自分の顔が薄暗くてパッとしない」
「なんとなく疲れた顔に見える」
鏡を見てこのように感じたら、肌のくすみのせいかもしれません。
肌のくすみは周りの人から不健康に見られたり、
実年齢よりも老けて見られたりと、あまり良い印象を与えないでしょう。
肌がくすんで見えるのは初期老化のサインともいわれますが、年齢のせいだけではありません。
肌のくすみにはいくつかの種類があり、それぞれ異なる原因と改善方法があります。
そこでこの記事では、種類ごとの原因や改善方法、自分がどのタイプか調べるセルフチェックの仕方を解説します。
自分自身のくすみ肌のタイプを知り、適切な改善方法を実践して、透明感あふれる若々しい肌を取り戻しましょう。
目次
肌のくすみとは?
肌はどんな状態になっている?
肌のくすみとは、本来の肌のトーンが失われている状態をいいます。
透明感やツヤがなく顔全体が薄暗く見えるため、疲れていると思われたり、年齢より老けている印象を与えたりします。
くすみ肌は「ターンオーバー」と呼ばれる
「肌が生まれ変わる力」が弱まっているために起こる、肌のキメが乱れている状態です。
くすみ肌が原因で引き起こされる症状には以下のようなものがあります。
- 血色が悪く疲れて見える
- 顔が薄暗く実年齢より老けて見られる
- 肌に日焼けしたようなシミがある
- 肌がカサカサしたりゴワゴワしたりする
このような悩みがある人は、お肌のくすみが引き起こしているトラブルかもしれません。
正常な肌の状況とは?
正常な肌の状況とは、以下の4つの条件が揃っている状態です。
- 肌にうるおいが感じられる
- 肌のキメが整っている
- 肌にハリや弾力がある
- 血色がよい
この4つの条件を満たすためには、肌のターンオーバーが正常に行われる必要があります。
人の肌は「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層でできており、一番上の表皮は角質層を含む複数の層で構成されています。
肌の内側でつくられた肌細胞が上層に向かって徐々に上がっていき、古い角質細胞と入れ替わる一連のサイクルがターンオーバーです。
なんらかの原因でこのターンオーバーの周期が遅くなると、古い角質細胞がはがれずに蓄積され、角質肥厚となります。
これにより、肌は暗くくすんだ状態になってしまうのです。
肌のくすみを放置してはいけない理由
肌のくすみに気がついても「そのうち治るだろう」と軽く考えるのは危険です。
ここでは、肌のくすみを放置してはいけない3つの理由を解説します。
詳しくみていきましょう。
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1. 肌荒れにつながる
肌のくすみの原因は、日焼けなどによるメラニン色素の沈着や、うるおい不足による乾燥、血色不良などのケースが考えられます。しかし、肌表面の炎症による吹き出物や不規則な赤みなどによって肌がくすんで見える場合もあります。
この「赤ぐすみ」は、炎症を起こした肌の血管が拡張して血流が増加し肌が赤く見えることで、肌荒れともいえる状態です。赤ぐすみは肌のバリア機能の低下が原因で起こることが多く、紫外線や花粉などの影響を受けやすくなります。
赤ぐすみを放置すると炎症が治りにくくなるため、重症化する前に肌を鎮静化させるスキンケアなどの対策をし、改善しましょう。
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2. たるみ・むくみ・しわなどの原因になる
「疲れると顔がたるむ」「むくみ・しわが気になる」などの悩みは、加齢によるものと諦めてはいませんか?
実は、肌くすみからくるたるみなどの症状は、肌のターンオーバーサイクルの乱れが原因となっているケースも少なくありません。上記でも解説したように、肌の細胞が一定の周期で生まれ変わることをターンオーバーといいます。
このターンオーバーによって、肌の弾力を保つための成分であるヒアルロン酸やコラーゲンなどが生成されます。
しかし、ターンオーバーに乱れが生じるとこれらの成分が減少してしまい、たるみやむくみ、しわなどが生じやすくなるのです。ターンオーバーの乱れによる肌くすみを放置していると、いずれたるみ・むくみ・しわ・シミなどのエイジングサインに発展します。
できるだけ早くから肌くすみ改善のための対処を行い、日頃から予防を心がけましょう。 -
3. 疲れた顔に見える
肌がくすんでいると、顔色が悪く疲れた顔に見えてしまいます。なんとなく沈んだ雰囲気になり、不健康そうな印象を与えることから、実年齢よりも老けて見られる要因にもなるでしょう。
メイクでカバーしようとしても、時間が経つほど疲れ顔に見えてしまい、周りの人から「疲れていそう」と思われがちです。
また、肌のくすみに加えてたるみやしわ、シミといったエイジングサインが出るようになると、さらに老けてやつれた印象になります。
そうなる前に対策をし、疲れ顔という印象を持たれることのない、すこやかな肌状態を保つように改善していきましょう。
肌のくすみは5種類!それぞれの原因を解説
肌のくすみは、おもに5つの種類に分けられます。
くすみは種類によって原因が異なり、それによって対処法も変わってきます。
ここでは以下の5つのタイプと、その原因を解説します。
それぞれみていきましょう。
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1. 青黒いくすみ
青いくすみの原因=「血行不良」
青黒いくすみは、血行不良が原因です。
血行不良はくすみ肌の原因の中でも多数をしめるといわれており、血液やリンパの流れが滞って、くすみにつながっている状態です。
血行が滞ると肌に十分な栄養分を届けられず、肌本来の明るさやツヤが失われてしまいます。老廃物がたまり、毛細血管が目立つようになるため、肌の色が青黒くくすんで見えます。
顔色が悪く、不健康に見られやすいのが特徴です。血行不良は、ストレス・運動不足・身体の冷えが主な原因といわれています。ストレスによって自律神経が乱れると、血管が収縮して血行が悪くなります。運動不足は血流を促すポンプ機能を弱くし、体の冷えは血液循環を凝り固めてしまうため、生活習慣を見直す必要があるでしょう。
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2. グレーのくすみ
グレーのくすみの原因=「肌の乾燥」
グレーのくすみは、肌の乾燥が原因です。
肌の水分量が低下して乾燥した状態になると、本来のハリやツヤが失われ、顔に凸凹が生まれます。光をきれいに反射できないために透明感もなくなり、影ができて灰色がかった顔色になってしまいます。
また、肌の水分量が少ないとターンオーバーのサイクルも乱れやすくなり、古い角質がたまる「角質肥厚」になりがちです。角質肥厚になると皮膚が厚く硬くなり、ごわついたくすみが生じてしまいます。
さらに、肌が乾燥していると毛穴が開きやすくなり、それが影となって顔全体がトーンダウンしたように見えます。
肌がカサついたり、白い粉をふいたりしていたら、乾燥が原因のくすみといえるでしょう。 -
3. 茶色いくすみ
茶色いくすみの原因=「メラニンによる色素沈着」
茶色いくすみは、メラニンによる色素沈着が原因です。
肌は紫外線や摩擦などの外的刺激を受けると、メラニンを生成して守ろうとします。
この時生成されたメラニンは、通常であればターンオーバーによって古い角質と共に体外に排出されます。しかし、ターンオーバーが乱れるとメラニンの排出が追いつかず肌に残り、色素沈着を起こしてくすみとなってしまうのです。紫外線を浴びるとメラニンが過剰に生成され、肌表面が褐色になったり、まだらに濁ったようなくすみが発生したりします。紫外線予防の日焼け止めを塗り、こまめに保湿を行いましょう。
また、メラニンは摩擦による刺激でも過剰につくられることがあるので注意が必要です。タオルで顔をこすることや、美顔ローラーを強く当てるのは避けましょう。
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4. 黄色のくすみ
黄色いくすみの原因=「糖分の摂りすぎ」
黄色のくすみは、糖分の摂りすぎが原因です。
糖分を摂りすぎると、コラーゲンなどの美肌の栄養素であるたんぱく質が余分な糖質と結びつき「糖化」してしまいます。たんぱく質が糖化するとAGEs(終末糖化産物)と呼ばれる黄褐色の物質に変化し、体内で分解されにくくなります。
AGEsが分解されず体内に蓄積していくことで黄色のくすみとなって現れるのです。
糖化によるくすみを防ぐためには、砂糖や糖質の多い炭水化物の摂取を控えましょう。
とくにお菓子や清涼飲料水に含まれる人工甘味料には注意が必要です。
どうしても食べたい時はベジタブルファーストを心がけ、糖質の吸収が緩やかになるように工夫してください。 -
5. ゴワゴワしたくすみ
ゴワゴワしたくすみの原因=「角質肥厚」
肌にゴワゴワしたくすみを感じるのは、角質肥厚が原因です。
角質肥厚は、本来ターンオーバーではがれ落ちるはずの古い角質が肌に蓄積し、厚く硬くなった状態をいいます。
ターンオーバーの周期は年齢によって異なり、20代では約28日、30~40代になると約1か月半といわれています。ターンオーバーの周期が通常より遅くなると、黒ずんだ古い角質が肌に蓄積するため、結果的にゴワゴワしたくすみになるのです。
ターンオーバーの周期は、加齢だけではなく睡眠不足や疲れなどによっても乱れることがあります。しっかり睡眠をとり、疲れやストレスをためないように心がけて、肌に負担をかけないようにしましょう。
あなたの肌くすみの種類は?セルフチェックする方法!
上記で解説したように肌くすみには5種類のタイプがあります。
あなたはどのタイプに当てはまるのか、簡単なセルフチェックで確かめましょう。
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A
- デスクワークなど同じ姿勢でいることが多い
- お風呂はシャワーで済ませることが多い
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B
- エアコンが効いた部屋にいることが多い
- 肌がカサカサしている
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C
- シミ・ソバカスが目立つ
- 曇りの日や屋内ではUVケアをしない
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D
- ごはんやパンなどの炭水化物が好き
- 運動をする習慣がない
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E
- 生活が不規則で慢性的な睡眠不足
- 食事はコンビニや外食が多い
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Aが多かったら
血行不良が原因の
「青黒いくすみ」タイプ -
Bが多かったら
乾燥が原因の
「グレーのくすみ」タイプ -
Cが多かったら
メラニンが原因の
「茶色いくすみ」タイプ -
Dが多かったら
糖化が原因の
「黄色のくすみ」タイプ -
Eが多かったら
角質肥厚が原因の
「ゴワゴワしたくすみ」タイプ
自分の肌くすみのタイプを知り、改善していきましょう。
肌のくすみを改善したい!
対策方法4選を紹介
肌のくすみは対策次第で改善が可能です。
ここでは肌のくすみを改善するための対策方法として、以下の4選を紹介します。
それぞれ詳しく解説します。
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1. 血行を改善する
肌くすみの中でもとくに青黒いくすみの場合は、血行の改善が効果的です。
血液は正常に循環することで細胞に必要な栄養素や酸素を届け、老廃物を滞らせないようにしています。血行が悪くなると皮膚組織に十分な栄養が届かず、肌のターンオーバーが乱れる原因となってしまいます。
血行の改善には適度な運動や入浴などが有効です。
運動で筋肉を刺激すると血行を促すポンプ作用が働き、血液の巡りが良くなります。
入浴の際にはシャワーだけで済ませず、ゆっくり湯船に浸かりましょう。体を内側から温めることで血流が改善されます。定期的な運動や毎日湯船に浸かるのが難しい場合には、磁気を使ったアイテムの活用もおすすめです。磁気は身につけると血流や筋肉に作用し、肌への負担も少ないのが特徴です。 磁気を活用したさまざまなグッズも販売されていますので、試してみてはいかがでしょうか。
血行の改善についてさらに知りたい方は、こちらの記事もお読みください。
「ゆらぎ世代は、血流年齢の分岐点」 -
2. 腸内環境を整える
肌のくすみには腸内環境も影響しています。
肌のターンオーバーを妨げて肌くすみを起こす原因のひとつに、腸内環境の悪化があります。腸は栄養を吸収する内臓です。腸内環境が悪化すると血流が滞り、くすみや肌荒れ、ニキビなどができやすくなります。逆に腸内環境が整っていれば栄養が十分に行き渡り、肌のターンオーバーも正常に行われます。
さらに、腸内細菌にはビタミンを生成する働きもあり、中でも老化を防止して皮膚をつくる役割があるビタミンB2は大切な成分です。
腸内環境を整え、正常な状態にしておくことが美肌への第一歩といえるでしょう。 -
3. 睡眠不足や食事など生活習慣を改善する
肌のくすみを改善するためには、睡眠不足や食事などの生活習慣の見直しも大切です。
質の良い睡眠は健康な肌をつくるために欠かせません。人が眠っている間に分泌される成長ホルモンが、皮膚の再生を促してくれるからです。寝不足が続くと成長ホルモンの分泌が低下し、ターンオーバーの乱れから肌くすみにつながります。
また、栄養バランスのとれた食事を摂ることも肌くすみの改善に有効です。
甘い食べ物や炭水化物を摂りすぎると肌の糖化を加速してしまうため、黄色いくすみとなって肌に現れます。コンビニや外食などで偏った食事を続けていると、くすみだけでなく、そのほかの肌トラブルの原因にもなります。きれいな肌をつくるためには、コラーゲンなどのたんぱく質やビタミン類、血行促進に必要な鉄分などをバランスよく摂りましょう。
質の良い睡眠について詳しく知りたい方は、こちらの記事もお読みください。
「眠れない時に試したい寝る方法7選!」 -
4. しっかりと保湿をする
乾燥による肌くすみは、しっかりと保湿をすることで改善が可能です。
乾燥肌はバリア機能が低下している状態のため、外部刺激からのダメージを受けやすく、ターンオーバーの乱れにつながります。また、乾燥によるくすみだけではなく、メラニンの停滞や古い角質のごわつきによる肌くすみも保湿で改善できる可能性があります。肌の角質層にたっぷりうるおいを与えることで、すこやかなターンオーバーを維持できるのです。
洗顔後や入浴後は肌が乾燥しやすいため、すぐに化粧水で水分を補い、美容液や乳液を与えて水分の蒸発を防ぎましょう。保水力が高く、ヒアルロン酸・コラーゲン・セラミド・アミノ酸などの保湿成分が配合されているものがおすすめです。
まとめ
この記事では肌のくすみについて、種類ごとの原因や改善方法を中心に解説しました。
肌のくすみには5種類のタイプがあり、それぞれ原因や改善方法が異なります。
簡単なセルフチェックで自分の肌くすみのタイプを知り、適切な方法で対策を始めましょう。
肌がくすむと不健康で疲れているように見え、実年齢よりも老けている印象を与えます。
メイクののりも悪くなり、くすみを隠す表面的な対策をしてしまいがちです。
しかし肌くすみを放置していると少しずつ進行し、
やがて肌荒れやたるみ、シミやしわなどのエイジングサインにつながります。
保湿や紫外線対策などの適切なケアと日頃の予防習慣を身につけて、透明感とうるおいのある若々しい肌を目指しましょう。